山口前期研修活動レポート 2021年10月18日(月)~19日(火)
- 山口県の後援を受けて山口森林ふれあいセンターと林業指導センターで2日間の研修会を開催しました。
- コロナウイルス感染拡大に伴う影響で現場作業が遅れがちのなか、伐採作業が本格化する時期に、研修生と経営者・管理者並びに安全衛生装備・装置メーカーなど総勢66名の皆さんにお集まり頂き開催しました。
10月18日(月曜日)山口県森林ふれあいセンターの会議室で座学とワークショップ、並びに安全衛生装備・装置装着体験などを行いました。
- 開催に伴うオリエンテーションでは事務局より事業の目的、プログラム、チェーンソー実習に伴う安全対策などの説明がありました。また、コロナウイルス感染拡大に伴う協力事項の説明がありました。
- オリエンテーションに続き、森林環境リアライズの石山浩一講師による「近年の林業労働災害の発生状況、改定林業労働安全作業の基準、農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」についての講義を行いました。
- 第13次労働災害防止計画で掲げる目標達成には、より高い対策の推進が必要なこと、他産業に比べ死傷者の千人率が非常に高いことなどの説明がありました。また、災害の写真や動画などを中心にした災害事例の紹介があり、参加者は真剣に聴講していました。
- 大阪大学大学院人間科学研究科佐藤眞一教授の「林業の働き方改革~中高年期の強みと弱み~」と題する講義は、コロナウイルス感染症再拡大防止対策に伴うまん延防止措置の関係からWeb講座としました。
- 講座では、若い世代と中高年期以降の身体機能の発達の違いや、中高年者の事故を防ぐための対策など丁寧な説明がありました。特に、災害を防止対策として、指差し呼称の重要性などの説明を受けました。
- 研修会場には、握力、背筋力、屈伸を測定できる機材を置いて、休憩時間に自由に計測して頂き、年齢別の平均値と比較を行って頂きました。参加者は計測して年齢別平均値と比較して、納得したり、再計測するなど賑やかに体験していました。
- 午後からは、林業技能教育研究所 飛田京子講師によるワークショップ(仕事年表の作成)をグループ活動として行い、最後に活動内容の発表を行いました。
- 自身の林業に関わった経緯と、これからの目標などについて、グループ内で共有しました。その後、一人ひとり発表して頂きました。発表の時間は緊張していましたが、飛田講師の質問で盛り上がり、緊張感がほぐれ、賑やかな雰囲気で活動を行いました。
- 会場には複数の安全衛生装備・装置メーカーにブースを出展していただき、初日研修の最後に、各メーカーにショートプレゼンテーションを行っていただきました。
- 安全衛生装備・装置の装着体験時間に林業労働災害VRシミュレーター体験も行いました。リアルな災害体験に多くの研修生は驚いたり、仰け反ったりしていました。
- 10月19日(火曜日)山口県林業指導センター(実習エリア)で伐木実習を行いました。
- 実習に先立ち車座になって、林業技能教育研究所 飛田京子講師による「操作技能のトレーニングと効果」について座学を行いました。
- 実技研修では、初めに自身の伐木方法で指定する受け口深さ、角度、つる幅・高さで伐木して頂き、規定寸法の再現性(現状の技能力)を確認しました。
- 自身の伐木方法のあとに、飛田講師と原田講師から正しい受け口・追い口の作り方の指導を行いました。
- 伐木後の伐倒方向、受け口の深さ、つるの幅と高さを計測します。また、受け口で切り取った三角部の角度測り斜め切り角度を計測します。また、受け口の下切り面の水平角度(絵合線傾き)と絵合線の長さを計測して、既定寸法との差を確認します。
- 研修生が持参したチェーンソーのガンマーク方向の精度をチェックしました。
- 正しい受け口・追い口の作り方、並びに受け口等の計測方法の指導のあとは、秋晴れのお天気のなか、伐木訓練を繰り返しました。
- 受け口・追い口作成後は15ⅿ先の目標のズレを計測します。練習を重ねる度に目標との差が無くなり、研修の成果が見られました。
- 伐木実習はグループごとに正しい受け口・追い口づくりの指導を互いに行って、自身の課題を認識して、より高い精度の伐倒技術の取得を行いました。