愛媛前期研修活動レポート 2021年10月26日(火)~27日(水)
- 愛媛県および愛媛県森林組合連合会の後援を受けて砥部町文化会館および愛媛県森林組合連合会松山木材市売場で2日間の研修会を開催しました。
- 伐採作業が本格化する秋季に、研修生と経営者・管理者並びに安全衛生装備・装置メーカーなど総勢66名の皆さんにお集まり頂き開催しました。
10月26日(火曜日)砥部町文化会館の大会議室で座学とワークショップ、並びに安全衛生装備・装置装着体験などを行いました。
- 開催にあたり愛媛県森林局の尾花局長様より、ご挨拶を頂きました。
- 午後プログラム開始時には、林野庁林政部経営課林業労働・経営対策室の池田室長のご挨拶を頂きました。
- 開催に伴うオリエンテーションでは事務局より事業の目的、プログラム、チェーンソー実習に伴う安全対策などの説明がありました。また、コロナウイルス感染拡大に伴う協力事項の説明がありました。
- オリエンテーションに続き、森林環境リアライズの石山浩一講師による「近年の林業労働災害の発生状況、改定林業労働安全作業の基準、農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」についての講義を行いました。
- 林業の労働災害は中長期的には減少傾向にあるが、他産業に比べて死傷災害率が非常に高いこと。都道府県別の災害発生率を見ると、素材生産量に比例することなく、架線系システムの地域と都市近郊の森林施業地で死傷災害が多いことなどの説明がありました。また、災害の未然防止の取り組みなどの紹介がありました。
- 大阪大学大学院人間科学研究科佐藤眞一教授の「林業の働き方改革~中高年期の強みと弱み~」と題する講義では、年齢に伴う技能の熟達化や、機能年齢など興味深い話題提供が沢山ありました。参加者はベテランも多く、熱心にメモを取りつつ聴講していました。
- 午後からは、林業技能教育研究所 飛田京子講師による国内の新規参入者の年齢構成と災害に関する話題提供の後、ワークショップ(仕事年表の作成)をグループ活動として行い、最後に活動内容の発表を行いました。
- WSは、自身の林業に関わった経緯と、これからの目標などについて、グループ内で共有しました。
- グループWSの成果発表は、研修生一人ひとり順番に発表して頂きました。発表は飛田講師の質問で盛り上がり、賑やかな雰囲気で活動を行いました。
- 10月27日(水曜日)愛媛県森林組合連合会松山木材市売場(倉庫)で伐木実習を行いました。
- 実習の最初は、倉庫内に仮設した会議テーブルで、林業技能教育研究所 飛田京子講師による「操作技能のトレーニングと効果」について座学を行いました。
- 実習は飛田講師のほか志田講師(JLC選手)の協力も受けて指導を行いました。
- 実習は、初めに研修生の現状の技能レベルを把握するために、何時のとおり伐木を行って頂きました。その後飛田講師の説明のもと、志田講師が実技を行い、チェーンソーの正しい操作方法の指導を行いました。
- 正しい伐木方法の説明後は、グループで伐木練習を繰り返しました。
- 繰り返しの伐木練習では、自身の課題を見つけ、グループ内で互いに指導し合うなど活発な活動が見られました。
- グループ活動では、飛田講師や志田講師が呼ばれ、チェーンソー受け口や追い口の精度を上げる方法などの質問が多くありました。
- 伐木後には伐倒方向、斜め切り角度、受け口の深さ、ツルの幅・高さの計測を行って、伐木精度を確認するとともに、自身の癖を修正する取り組みを行いました。
- 受け口・追い口作成後は、伐倒方向を水平版と水糸を使って絵合線の直角方向の目標値とのずれを計測します。
- 受け口の角度は、切り落とした三角部の斜め角を計測します。
- ツルの幅と高さは、受け口の下きり面の絵合線の両側最深部と追い口終端部の幅と高さをはかります。受け口の深さ、斜め切り角度、ツル幅・高さは、目標値を指定して伐木します。チェーンソー操作によるこの目標値の再現値を計測して、チェーンソー操作技能のレベルアップをはかります。